- 文章力の基本について知りたい人
- 読むのも書くのも得意だが、基本に立ち返っておさらいしたい人
- 人に伝わる文章について学びたい人
概要
タイトル | 新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング |
著者 | 唐木 元 |
出版社 | 株式会社インプレス |
「書けないカギは書く前にあり」。
毎月3,000本以上の記事を配信し続けるカルチャーニュースサイト「ナタリー」で実践されている文章の書き方を、一般向けに解説する初めての書籍です。通称「唐木ゼミ」と呼ばれる社内勉強会で新人育成を担当する著者が、「悩まず書くためにプラモデルを準備する」「事実・ロジック・言葉づかいの順に積み上げる」など独特の概念を通じて、文章を構造的に書くための方法をわかりやすく教えます。文章の具体的な改善ポイントも解説。企画書、報告書、レポート、ブログ、SNSなどあらゆる文章に有効です。
引用:インプレスブックス
本を読んだ感想
定義はひとつ「良い文章=完読される文章」
何をもって「良い」とするかは色々ありますよね。
感動させる文章が良いのか、記憶に残る文章が良いのか、想像を掻き立てられる文章が良いのか・・・
この本では、最初に良い文章とは「完読される文章」であると位置づけ、方向性をぐっと絞っているのが分かりやすいです。
たしかに、人を感動させる前に最後まで読まれなければ仕方がないですものね。
これから文章を書いていく人にとっては、最初にして最大の課題ともいえるかもしれません。
どこを目指して読み進めればいいかが導入で明確になるので、最初の一歩を踏み出しやすいですね。
章ごとに丁寧に段階を踏んでいて、わかりやすい
章は、「書く前に準備する」から始まります。
書く前の準備についてページを割いて濃厚に語られており、しかもその具体的なやり方まで詳しく教えてくれています。
私もついいきなり書き始めてしまいたくなりますが、この本を読んでまず構成をきちんと練ることにしました。
結果、そうすることで最短で書き上げられることを実感しました!
急がば回れ、という諺が頭の中に浮かびます。
頭の中が整理できた状態で書き始められるので、書いた後の直しも圧倒的に少ない・・・!
本を読み進めることで、書き終わった文章をどんどんブラッシュアップさせていく手順も分かります。
各章、取り組むことがチャプターで短くまとめられているのも読みやすいですね。
普段使っている日本語の「根拠」を意識することができる
書く・読む・話す・聞く、それぞれ普段からそれほど苦労なくできていますよね。
日本語は母国語なので、普段から何気なく使えている人が多いと思います。
「あれ?理由は分からないけど、この場合はこっちの言葉だよね」
「なんとなく、この文章読みにくいかも・・・この言葉をこっちに動かそう」
そのように感覚で理解していた部分も、この本では明確に根拠を示して「こちら」と導かれています。
感覚的だった部分がはっきりと言語化されていて、思わず「そうそう!やっぱりそうだよね」と頷いてしまう爽快さを何度も味わいました。
英語の文法を学んだときのように、日本語を論理的に理解し直すことができます。
おわりに
この本は、子どもに戻って国語の授業を受けているかのように、私にまた「日本語って、文章って面白いな」と思わせてくれました。
読む人に余計なストレスを与えない。
この第一関門を突破しなければ、届けたい本質まではきっと導くことができないのでしょうね。
だからといって、全てがシンプルでも物足りない。
ところどころ記憶に訴えかけるメリハリの効かせ方なども、技術として身に着けていきたいですね。
また感覚に頼って文章を書き進めてしまう前に、読み返したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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